令和4年度 秋月グラント「グラウンド・ゼロから~新たな継承へのハンドブック~」【報告】

2020年8月9日に、爆心地公園で行ったアートプロジェ クト「声紋源場」をさらに継続そして発展させるために、アンチモニュメント・リサーチ・コレクティブを多様な顔ぶれのメンバーで結成し、国内、海外で長崎の原爆について研究してきた研究者、作家、芸術家をゲストとして招き、彼らの活動を通して継承の更なる可能性を学んだ。

本事業では、こうしたゲストの活動紹介とゲストたちの記憶の方法論を、わかりやすくまとめたハン ド ブックを制作・出版。

またハンドブックの出版記念に合わせて長崎県美術館ホールで”アンチモニュメント・スペース”というイベントを実施し、被爆者の山田一美さんの詩吟や、長崎の音楽家・坂本豊さんなどとのコラボレーションなど盛りだくさんのイベントを開催。

儀式化した行事や言葉が次世代の人に響かなくなっている現在、 どのように原爆の記憶を現代の視点から捉え、現代の感性と表現方法を通して語り継ぐことができるだろうかという問いかけができた。また、今までに興味のなかった若い人達にも新たな方法で継承の方法を語り合う機会を設けることができた。

竹田 信平